4/19に行われた京都伝統産業ふれあい館での祇園東・岡とめの舞妓・駒子(こまこ)さんのトークの書き起こしです。
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舞妓さんの一日の生活について教えて下さい。
こんにちは。おおきに。おいでやす。
一日ということですけど、舞妓さんはだいたいお稽古がある日でも9時ぐらいに起きます。
うちはどすけど…うちは9時ぐらいに起きます。
ほんで頭を30分から1時間ぐらいといて、それからお稽古場に行きます。
お稽古は3時ぐらいどすね、自分の時間は30分ぐらいなんどすけど、ずっと見ててお勉強させてもらいます。
いろいろなお稽古があるので、ほぼ毎日何かしらお稽古があります。
ほんで、お稽古が3時ぐらいに終わって、家で帰ってごはんを食べるんどすけど、それからおしろいをして1時間ぐらいかかって、その後に着付けがあります。
男衆さんに来てもうて着付けしてもうたら5時、6時から宴会どす。
晩の宴会に?てもらいます。
それから2軒3軒といろんなとこに寄せてもうて、帰るのは12時、遅いときは1時ぐらいどすね。
よく労働基準法がとか言わはる人いはるんどすけど、うちらは労働ということにはならへんので、芸妓さんの前の修行の身ということで労働基準法にはならしまへん。
まだ、うち16歳やさかいに労働基準法とか言うてられしまへんね。
で、それから帰って寝るのが2時、3時頃…で、また次、9時ぐらいに起きます。
「駒子さん」という舞妓さんのお名前はどのようにして決まったのか教えて下さい。
普通はお名前は一字もらいます。
「市」がつく「豆」がつく、いろんな街によって違うのどすけど筋があるものどす。
引いてもらう姉さんのお名前を一字頂いたりするのどすけど、うちの場合は「駒子」で姉さんに引いてもうてへんのどすね。
で、うち引いてもうてへんし、一人でお名前を…バラバラどす。
で、引いてもうたら、そうやって姉さんやお母さん方が決めてくれはるんどすけど、うちの場合は好きなお名前を出して、お母さんの了承を得て「駒子」という名前になりました。
うちの「駒子」の由来は、「駒」という字をつけたくて、みんなに「男みたいで固い字や」と言われるんどすけど、おじいちゃんのおじいちゃんが「駒吉さん」という方で、その「駒」をつけたくて「駒子」といいました。
みなさん「雪国」の川端康成さんの「駒子」とか、「舞妓Haaaan!!!」て阿部サダオさんの映画の「駒子さん」とか言うてくれはって、「覚えやすい」と言うてくれはるので、気に入ってます。
属している祇園東の紹介をお願いします。
こんにちは。おおきに。おいでやす。
三回目どす。
祇園東は…まず、京都には五つの花街があります。
祇園甲部さん、宮川町さん、上七軒さん、先斗町さん、で、祇園東。
昔は、島原さんもあったんどすけど、今は五つの花街となってます。
それで、うちの入れてもうてる祇園東という花街は、人数は少ない花街どす。
舞妓さんが6人、芸妓さんも10人ほどどすね。
甲部さん、宮川町さんと比べたら、だいぶ小さい街ではあります。
場所は大体、祇園会館さん、今吉本さんが入ったはるとこどすね、そこのまわり四条から新橋まで東大路から花見小路ぐらいまでの狭いとこどすけど、お茶屋さんもきれいなところもようけあります。
行事は、まず11月に祇園をどりという踊りがあります。
他の街、四つの街は4月や5月に舞台があるのどすけど、うちとこは秋にしか?しまへん。
11月の1日から10日まで10日間さしてもらってますので、ぜひ来て下さい。
あと、最近で言うと5月13日に東の中にある観亀神社さんという神社でお祭りがあります。
いろいろ、おビールとか食べ物とか、いろいろ出してて楽しいのでぜひ来てください。
今年からまた新しいこといろいろさしてもらうかもしれません。
それぐらいどすね。
舞妓さんになってよかったこと、やりがいとかを教えてください。
よかったと思うこと…まず、自分の身になることどすね。
修行ができるということどす。
普通に高校生として学校に行っていたらできひんことばっかりやなと、毎日思ってます。
こうやってみなさんの前でしゃべることも出来ひんし、こんな格好も出来ひんし、まずあこがれの京都に住むことが出来ひんかったなと思って、すごくありがたく思ってます。
よかったこと…芸事が出来る、習い事習わさせてもらえますね。
踊りとか、お茶とか、いろいろな今しか出来ひんことをさしてもらえるのがやりがいやなと感じてます。